区議会での発言

平成27年11月 第四回定例会 区長所信表明

はじめに

前川区長所信表明の様子前川区長所信表明の様子

 平成27年第四回練馬区議会定例会の開会に当たり、区政運営に対する所信の一端を申し述べ、区議会並びに区民の皆さまのご理解とご協力をお願いしたいと思います。

 私は、昨年4月の区長就任以来、開かれた区政を目指し、区民参加を積極的に進めてまいりました。そのなかで、広範な区民の皆さまの参加・協働を更に実のあるものとするにはどうすればよいか、考え続けてきました。先月、参加者同士が、まちを元気にするアイデアを出し合い、実現していく新しい試み、「ねりまビッグバン」を始めました。区の若手職員もお手伝いし、区民の皆さまとともに考え、力を合わせる機会にもしたいと思っています。

 光が丘で第1回「ねりまビッグバン」を開催し、参加した皆さんから、三世代交流イベントや高齢者の地域デビューなど生活実態に即したアイデアが提案されました。今後、各地域で開催し、区内全域に広げていきたいと考えています。

 あわせて今年も、練馬の未来を語る会を開催し、子育て中のお母さんたちのグループとの懇談では、私の体験も交えながら話し合いました。更に、区政モニターの方と区政改革についての意見交換を行いました。今後とも、工夫を凝らしながら開かれた区政を更に進め、区民参加の充実に努めてまいります。

区政改革 〜区民サービスの向上に向けて〜

 次に、区政改革についてです。

 本年3月に策定した「みどりの風吹くまちビジョン」では、区政が直面する重要課題について、政策を総合的・体系的に示し、具体的取組を18の戦略計画として定めました。従来のいわゆる総合計画とは一線を画し、コンパクトで区民に分かり易いものになったと自負しています。

 現在、取り組んでいる区政改革は、ビジョンに掲げた政策を実現するための具体的な仕組みや態勢を、区民の視点から改めて見直そうとするものです。仕事の仕方、職員の姿勢、区民の皆さまとの係わり方を見直し、区民サービスの向上につなげていきたいと考えております。

 現在、区政改革推進会議で改革の方向性を検討しています。私から直接、委員の皆さんに対し、従来の行政改革にとどまらず、区政をどう展開すべきか、区民との関係がどうあるべきかを、生活実感に基づいて率直に議論して頂くよう、お願いしました。

 推進会議では8回にわたり活発な議論が行われました。これまでの議論を踏まえ、区民とともに区政改革を考える資料を作成し、近々、区議会にご報告します。資料では、練馬区の重要課題について、現状と将来見通しをデータに基づいて明らかにし、現時点での改革に向けた区の考えを示します。

 12月に資料を公表して、パブリックコメントを行い、1月には、練馬の未来を語る会を開催し、改革の方向性を区民の皆さまとともに考えてまいります。

 区政改革推進会議の提言を年度内に受け、来年4月には、改革の素案を取りまとめ、公表します。その後、改めて区議会や区民の皆さまのご意見を伺ったうえで、成案化いたします。

障害者施策の充実 〜これからも積極的、先駆的な取り組みに挑戦する〜

 次に、障害者施策についてです。

 「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律」が、来年4月1日に施行されます。全ての国民が、障害の有無によって分け隔てられることなく、相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する社会を実現することが、法の目的です。

 同法により、広く不当な差別的取扱いが禁止され、公的機関においては、合理的配慮の提供が義務付けられます。区としては、同法が求める相談窓口を設置するとともに、職員対応要領を作成し、職員に対する研修を徹底していきます。あわせて、障害者団体や事業者による障害者差別解消支援地域協議会を設置します。

 これまで練馬区では、障害者施策について、障害者や家族の方々、障害者団体などによる自主的で活発な活動と、区による幅広い分野での積極的、先駆的な取り組みにより、誇るべき成果を挙げてきました。今後とも充実に努めてまいります。

災害に強い安全なまちづくり 〜民間建築物の耐震化、木造家屋密集地域改善など首都直下地震に備える〜

 次に、災害に強い安全なまちづくりについてです。

 発生が切迫している首都直下地震に備えて、防災・減災への取り組みを強化することは喫緊の課題であります。

 まず、建築物の耐震化についてです。

 これまで、区内の建築物の耐震化を、今年度までを期間とする練馬区耐震改修促進計画により進めてまいりました。とりわけ、避難拠点となる区立小中学校や、区民が利用する区立施設の耐震化には、重点的に取り組み、一定の目途がついたところです。

 今後は、民間建築物の耐震化を積極的に進めていく必要があります。そのため、平成28年度からの5か年を期間とする、新たな耐震改修促進計画を今年度中にも策定する考えです。計画では、災害時における避難や救助、救援活動の大動脈となる、特定緊急輸送道路の沿道建築物について耐震化を促進します。対象建築物の101棟は、今年7月に全棟の耐震診断を終了したところであり、耐震改修が必要な70棟に対して、個別の働きかけを強化し、計画期間中の全棟耐震化を目指していきます。

 また、私立幼稚園・保育所は148棟のうち16棟、災害時医療機関等は43棟のうち10棟について、耐震化の必要があり、計画期間内の着実な耐震化を進めてまいります。

 次に、木造家屋が密集する地域の改善についてです。

 現在、江古田北部地区、北町地区、貫井・富士見台地区の3地区で、密集住宅市街地整備促進事業を実施し、道路、公園などの都市基盤の整備や建築物の不燃化を進め、防災性の向上に取り組んでいます。江古田北部地区、北町地区では、改善が進んできておりますが、平成27年度までであった事業期間を、それぞれ平成30年度、平成31年度まで延長し、残された工事を着実に進めていきます。事業終了後においても、地区計画を定め、良好な居住環境の形成に努めてまいります。

 次に、業務継続計画についてです。

 大規模な地震災害時には、人的・物的制約があるなかで、直面する緊急事態に迅速かつ的確に対応しつつ、区民生活に欠かせない通常業務を継続する必要があります。こうした観点から、非常時に人的・物的資源を適切に確保・配分する仕組みを確立するため、年度内に業務継続計画地震編の修正を行います。

練馬区産業振興ビジョンの策定 〜年度内に「練馬区産業振興ビジョン」を策定〜

 次に、練馬区産業振興ビジョンについてです。

 産業振興の主役は事業者自身であります。区内産業が更に活性化するには、農業、商業、工業など様々な事業者が、それぞれの創意工夫により、事業を発展させることが基本であり、区の役割は、事業者の自立的な活動に対し適切な支援を行うことです。

 産業分野における区の基本方針と、今後取り組みを強化する分野をお示しする「練馬区産業振興ビジョン」を年度内に策定する予定です。

 産業振興ビジョンでは、みどり豊かな住宅都市という特性を踏まえ、72万人という人口が持つ潜在力を活かすこと、個々の事業者の強化と連携を推進すること、まちづくりと連動して産業振興を推進すること、を基本方針とします。

 取り組みを強化すべき分野として、福祉・生活関連産業、農業、アニメ産業、商業、練馬ならではの観光、を考えています。

 近く、素案を公表し、区議会や区民の皆さまのご意見を踏まえ、成案としてまいります。

練馬区エネルギービジョンの策定 〜区民や事業者とともに考え、推進する〜

 次に、練馬区エネルギービジョンの策定についてです。

 エネルギービジョンでは、住宅都市としての地域特性に沿って、練馬区にふさわしい自立分散型エネルギー社会の将来像と、実現に向けた取組の方向性を明らかにします。

 現在、災害時のエネルギーセキュリティの確保、分散型エネルギーの普及拡大、省エネルギー化の推進、区民とともに進める取り組みの四つの視点から検討しております。

 第一に、災害時のエネルギーセキュリティの確保です。災害時には公共施設等が、自立したエネルギーを確保できていることが必要であり、とりわけ避難拠点では、重要な課題であります。既に配備済みの小型発電機に加え、小中学校に蓄電設備と組み合わせた、太陽光発電の設置を進めるとともに、プラグインハイブリッド自動車などを外部電源に活用してまいります。こうした車両を所有している区民・区内事業者の災害時協力登録制度を創設したいと考えています。また、災害弱者を福祉避難所に搬送したのち外部電源としても活用できる、福祉送迎車両の開発を自動車メーカーなどへ提案したいと思います。

 第二の分散型エネルギーの普及拡大では、全国を先導する地域コジェネレーションシステムを創設し、災害拠点病院と近隣の医療救護所が一体となった、エネルギーの総合的・効率的な利用を推進してまいります。

 自立分散型エネルギー社会の究極の目標は、地域単位でICTを活用し、再生可能エネルギーなどのベストミックスを実現した、スマートコミュニティを形成することにあります。区としても、この目標を目指してまいります。

 第三に、省エネルギー化の推進は、エネルギー対策の重要な柱であり、引き続き、効果的な取り組みを進めてまいります。省エネルギー住宅の普及啓発、複数の省エネ機器・設備導入に対する補助、区立施設の省エネルギー化促進などに努めていきます。

 第四に、区民とともに進める取り組みです。自立分散型エネルギー社会の実現は、住民や事業者の主体的な行動によって達成されるものと考えます。

 とりわけ、再生可能エネルギーの導入や、まちづくりと連携したスマートコミュニティの具体化は、住民や事業者が主役であります。区は、住民や事業者の皆さまに呼びかけ、現場の実態に即してともに考え、推進に努めてまいります。

 近く、素案を公表し、区議会や区民の皆さまのご意見を踏まえ、今年度中に策定いたします。

練馬区教育・子育て大綱の策定 〜安心して子どもを産み育てられる環境を整え、子どもたちが健やかに成長できるよう教育を充実〜

 次に、練馬区教育・子育て大綱についてです。

 今月17日に第4回目の練馬区総合教育会議を開催し、大綱の素案を取りまとめました。大綱は、民意を代表する自治体の長が、教育委員会と協議して策定することにより、地域住民の意向を反映し、教育や福祉などの施策間の連携を進めるものです。概ね5年間を対象期間とし、制度の変化などに応じて必要な見直しを行ってまいります。

 練馬区では、子どもに関わる施策を教育委員会が一元的に担っていることから、大綱は、安心して子どもを産み育てられる環境を整え、子どもたちが健やかに成長できるよう教育を充実すること、をねらいとしています。

 素案では、教育と子育てのそれぞれの分野で施策の目標や取組の方向性を体系的に整理し、重点となる施策を示しています。

 教育分野では、いじめ・不登校対策とともに、人権・道徳教育の推進や家庭教育への支援を盛り込みました。また、子育て分野では、練馬区独自の幼保一元化や放課後の居場所づくりの拡大、子育て支援サービスの充実などを掲げています。更に、両分野を通して、支援が必要な子どもたちに対する取組を重点施策として位置付けております。

 今後、区議会や区民の皆さまのご意見を頂いたうえで、来年2月を目途に策定してまいります。

おわりに

 「よりどりみどり練馬」のテレビCM撮影には、1,000人を超す区民の皆さまに参加して頂き、「練馬まつり」には、3万人の方が来場されました。熱気と活力あふれる光景を目の当たりにして、区民とともに歩む区政を更に進めていきたい、との思いを新たにしました。

 我がまち練馬は、先人から受け継ぎ、現在の区民の皆さまとともに更に発展させ、未来の区民に引き継いでいく、かけがえのない資産であります。私は、区議会、区民の皆さまと力を合わせながら、区政運営の責務を果たしてまいります。

 なお、本定例会には、指定管理者の指定など42件の議案を提出しております。よろしくご審議のほどお願いいたします。

 以上をもって、私の発言を終わります。