区議会での発言

平成27年9月 第三回定例会 区長所信表明

はじめに

前川区長所信表明の様子前川区長所信表明の様子

 平成27年第三回練馬区議会定例会の開会に当たり、区政運営に対する所信の一端を申し述べ、区議会並びに区民の皆さまのご理解とご協力をお願いしたいと思います。

 最高気温が35度を超える猛暑日が8日間にわたって続き、強い陽射しが照り付ける中、区内の各地を歩き、練馬ならではの夏を体感いたしました。

 ビール麦「金子ゴールデン」を原材料とした麦茶、採りたて野菜の農園レストラン、搾りたての牛乳で作った小泉牧場のアイスクリーム、摘みたてのブルーベリーやぶどうなど、練馬の夏の味覚を堪能しました。

 光が丘のみどり豊かな森の中で、早朝は小鳥のさえずりに耳を傾け、夕方には蝉しぐれを浴びながら、多くの区民の皆さまと共に、散策やジョギングを楽しみました。

 4月に開園し、初めての夏休みを迎えた、こどもの森にも足を運びました。どろんこになっての水遊びや穴掘り、ロープ遊び、木登りや虫採りなど、子どもたちが思い思いの自由な発想で楽しんでいました。この姿を見て、利用者の声に応え、公園行政の発想の転換を更に進めなければならない、との思いを強くいたしました。

 自然と一体となって遊んだ、鹿児島での少年時代の記憶がよみがえり、練馬の魅力は、大都市の中での生きた自然、みどり、農地にあることを改めて実感した次第であります。この貴重な財産を、区民の皆さまと力を合わせ、将来の世代に引き継いでいきたいと思います。

区政改革の推進 〜区政の現状と将来を見通した資料を、12月に公表〜

 次に、区政改革の推進についてです。

 6月に、公募区民や有識者で構成する区政改革推進会議を設置し、これまでに4回、夜間に開催しました。人口や財政の将来見通し、子育て支援、高齢者施策、公共施設の維持・更新など、「新しい成熟社会」に向けた活発な議論をいただいています。私も毎回出席し、各委員の知見や経験に根差した貴重なご意見を、直接お伺いしております。

 委員からは、団塊の世代のすべてが後期高齢者となり、介護・医療需要の急増が見込まれる、いわゆる2025年問題は、今から準備しなければならない喫緊の課題であり、区民に危機感をもってもらえるよう、しっかりと伝えていくべき、との問題提起がありました。更に、改革のテーマは、区政の将来を左右する重要なものばかりであり、議論をより深めるため、検討時間を増やしたい、との要望もいただきました。

 そこで、(仮称)区政改革計画の策定スケジュールを見直すこととしました。推進会議での論点整理を踏まえ、区政の現状と将来を見通したデータ、課題を分かり易くまとめ、12月を目途に公表します。これをもとに、広く区民の皆さま、区議会の皆さまのご意見を伺ってまいります。

 年度内に推進会議から、解決の方向性を示した提言をいただき、来年度早々に、計画の素案を取りまとめる予定です。その後、パブリックコメントや区議会のご意見を踏まえた検討を行い、来年10月には、成案とする考えです。

 なお、早期に取り組む必要がある課題については、平成28年度当初予算案に反映することとし、準備を進めてまいります。

マイナンバー制度の導入 〜区によるマイナンバーの利用などを定める条例案を提案〜

 次に、社会保障・税番号制度、いわゆるマイナンバー制度の導入についてです。

 10月から、区民の皆さま全員に、それぞれのマイナンバーを通知します。来年1月からは、申請された方への個人番号カードの交付を始めます。既に、区独自のコールセンターを開設し、区民の皆さまからの問い合わせにお答えする体制を整えました。

 来年4月から、練馬区は、個人番号カードを使ったコンビニ交付を開始します。住民票の写し、印鑑登録証明書、戸籍の謄・抄本、住民税の証明書が、全国のコンビニエンスストアで取得できるようになります。

 平成29年からは、まず、国の機関相互、次いで、これに地方公共団体が加わった情報連携が、順次始まり、制度が全国的に定着することにより、各種手続きにおける添付書類の削減や審査事務の迅速化など、更なる住民サービスの向上が見込まれています。

 制度の導入にあたっては、個人情報の保護が重要であり、区は、区議会と共に、本年6月、個人情報保護対策の強化を国に要請しました。

 なお、本定例会には、区によるマイナンバーの利用などを定める条例案を提案しております。

練馬こども園の認定 〜私立幼稚園13園を認定〜

 次に、区独自の幼保一元化施設である練馬こども園についてです。

 既に私立幼稚園から第1回の申請を受け付け、審査を行いました。その結果、申請のあった全私立幼稚園13園を、初の練馬こども園として認定しました。今月中旬、私から認定証を交付します。

 練馬こども園の創設により、3歳からは、長時間保育や夏休み期間中の利用が可能な幼稚園に通わせたい、という保護者の希望に応えてまいります。2歳児までの保育を中心とした認証保育所などとの提携を促進し、練馬こども園の認定拡大を進めてまいります。

支援が必要な子どもたちへの取り組み 〜生活保護世帯への学習支援の対象を拡大〜

 次に、支援が必要な子どもたちへの新たな取り組みについてです。

 総合教育会議でも言及されましたが、練馬区が目指す教育の目標は、次代を担う子どもたちが、夢や目標をもち、困難を乗り越え、自らの未来を力強く切り拓きながら、健やかに成長していくことであります。

 本年4月、生活困窮者自立支援法が施行されましたが、区では、法の施行に先立って、平成23年度から生活保護世帯への学習支援を独自に実施してきました。今月からは、対象を準要保護世帯の中学3年生に拡大します。生活困窮世帯であって、不登校の小・中学生は、生活習慣、学習習慣の形成とコミュニケーションなどの社会性の育成が必要になります。そのための支援についても、今月から開始します。

 また、より身近なところで、教育相談が受けられ、不登校の児童・生徒もきめ細かい支援を受けられるよう、旧大泉区民事務所を活用した、学校教育支援センター大泉分室の整備を行います。平成28年度中の開設を目指し、今年度中に工事に着手します。

都市インフラの整備 〜外環道大泉ジャンクション周辺の安全に関する連絡協議会を立ち上げ〜

 次に、都市インフラの整備についてです。

 首都高中央環状線、外環道、圏央道のいわゆる三環状道路は、首都圏に集中している通過交通を分散し、都心部の交通渋滞や環境を改善するだけでなく、日本の東西交通を円滑化する、重要な社会基盤です。

 とりわけ外環道は、練馬区にとっても、交通渋滞や生活道路への車両の流入などの問題を解消していくうえで、極めて重要な道路であります。

 首都高中央環状線は本年3月に全線開通しており、11月には圏央道の東名高速から東北道までの区間が結ばれます。一方で、外環道は未だ約4割の完成にとどまり、その整備が急務となっています。

 今後、大泉ジャンクション周辺で工事が本格化していくことから、地域の安全に関する連絡協議会を国などの事業者と立ち上げていきます。

 外環の2は、快適な都市環境を創出するものとして積極的に捉え、街路樹の充実や、広い歩道、自転車道を設けるなど、道路整備の発想を転換するシンボルとして整備を促進します。

 上石神井駅周辺を手始めとして、まちづくりについて、住民の皆さまとの話し合いを積極的に進めてまいります。あわせて、西武新宿線連続立体交差事業の実現に向けて、取り組んでまいります。

大江戸線の延伸 〜都は、優先的に検討すべき5路線の一つに位置付け〜

 次に、大江戸線の延伸についてです。

 東京都は、7月に発表した「広域交通ネットワーク計画」において、大江戸線の延伸を優先的に検討すべき5路線の一つに位置付けました。地域住民の皆さま、区議会の皆さまと一体となった、これまでの取り組みが成果を挙げたものと考えています。今後とも、東京都との実務的な協議を引き続き進めるとともに、基金の積み増しや沿線まちづくりの更なる具体化に取り組む必要があります。

 新駅予定地を含む土支田中央土地区画整理事業は、今年度、事業の最終段階である換地処分の手続きを完了させます。大泉町と大泉学園町の新駅予定地域では、まちづくりについて、住民の皆さまと精力的に話し合いを進め、大江戸線延伸の早期実現を目指します。

独立70周年に向けた取り組み 〜区が持つポテンシャル、区民の活力を発信できる企画を〜

 次に、2年後に控えた、独立70周年に向けた取り組みについてです。

 独立当時、近郊農業地域だった練馬区は、みどりに恵まれた環境と都心に近い利便性が両立した都市として発展を遂げてきましたが、「新しい成熟社会」の到来など、大きな転換期を迎えています。70周年という節目にふさわしい記念事業を展開したいと考えており、今後、区民の皆さま、区議会の皆さまのご協力をいただきながら、検討してまいります。

 本日は、現在、準備を進めている事業について申し上げます。

 まず、練馬まつりです。

 70周年に向けて、区が持つポテンシャル、区民の活力を発信できるような企画を実現したいと考えています。今年は、「練馬産業見本市 ねりまEXPO2015」を「としまえん」で同時に開催します。多くの企業・団体の優れた技術や特色ある商品など、区内産業の魅力をアピールする場としていきます。

 次に薪能の開催です。

 70周年プレ・イベントとして、来年10月10日、石神井松の風文化公園を会場に、練馬区では初めての薪能を開催いたします。名誉区民で人間国宝の野村万作氏、重要文化財保持者の梅若万三郎氏をはじめ、豪華な顔ぶれにご出演いただきます。豊かなみどりを背景に、優美で幻想的な能と狂言の舞台を、多くの皆さまに楽しんでいただき、練馬区の新しいイベントとして定着させていきたいと考えています。

 次に、練馬区独立70周年記念誌の発行です。

 有識者のご参加をいただき、編さん委員会を6月に発足させました。過去の足取りを確かめるとともに、練馬区の未来を展望する記念誌としたいと考えています。

 今後、更に、区民の皆さま、区議会の皆さまと共に、70周年を契機として、夢のあるまちづくりの具体的な姿を描いていきたいと思います。

 なお、本定例会には、決算議案のほか、これまで述べたものを含め、35件の議案を提案しております。また、現在、私立認可保育所・地域型保育事業の誘致拡大に要する経費をはじめとする補正予算の編成を進めています。本定例会に追加して提案したいと考えておりますので、併せてよろしくご審議のほどお願いいたします。

 以上をもって、私の発言を終わります。