令和2年 第四回定例会 所信表明

はじめに

令和2年第四回練馬区議会定例会の開会に当たり、区政運営に対する所信の一端を申し述べ、区議会並びに区民の皆様のご理解とご協力をお願いしたいと思います。

新型コロナウイルス感染症の区内感染者は、昨日までに1,570人にのぼり、34人の方がお亡くなりになっています。改めて、深く哀悼の意を表し、現在も療養されている皆様の1日も早い回復を祈念申し上げます。

世界全体で新型コロナウイルス感染症が猖獗しょうけつを極めています。感染者は6,000万人を超え、142万人の方が亡くなられています。欧米では、感染者が急増し、世界保健機関は、「パンデミックは、特に北半球で重大な岐路に直面している」と懸念を表明しました。イギリス、フランス、ドイツ、イタリアなどで再びロックダウンに追い込まれているなか、ワクチンの実用化が急がれています。

日本の感染者は、欧米に比べかなり低く抑えられているものの、既に14万人以上となり、亡くなられた方は2,000人を超えています。今月に入り、北海道、東京、大阪などを中心に、全国で新規感染者が増加傾向となり、政府は10日、5つの対応強化方針を決定しました。その直後から、1日の新規感染者が各地で最多数を更新し、国内合計が連続して過去最多となるなど憂慮すべき状況となっています。一昨日、政府の分科会は、感染拡大を短期間、3週間程度で鎮静化するためには、社会全体が共通の危機感を共有して一丸となって対処し、医療提供体制と社会経済活動への深刻な影響を回避すべきとの提言を行いました。

都内では、9月上旬に減少傾向にあった新規感染者数が10月以降増加に転じ、11月には急増して、直近1週間の感染者数平均は、400人を超えるに至りました。とりわけ、重症化リスクの高い高齢者の感染増加により、極めて深刻な状況になることが懸念されています。こうしたなか、都は一昨日、酒類の提供を行う飲食店等の営業時間を午後10時までに短縮するなどの方針を決定しました。

区内でも新規感染者が急増を続けており、家庭内や施設、会食の機会を通じた感染が日々確認されています。区民の皆さんには、感染を防止するため、改めて、マスクの着用、手洗いや消毒、こまめな換気と、「密閉」「密集」「密接」を避ける行動を徹底するようお願い申し上げます。

区では、4次にわたる補正予算を編成し、感染拡大の防止と医療提供体制の充実、区民・事業者への支援、社会インフラの維持の各分野で、全力を挙げて対策を進めてきました。

直面する新型コロナウイルス感染症への対策

ここで、直面する新型コロナウイルス感染症への対策について申し上げます。

[新型コロナウイルスとインフルエンザ同時流行への対応

練馬区におけるPCR検査は、5つの新型コロナ外来病院、129の診療所、石神井公園駅西側高架下に設置した検体採取センターで実施しており、身近な場所で速やかに検査が受けられるよう、着実に体制を整えてきました。検体採取センターを設置した9月26日以降の検査数は1万733件にのぼっています。今後とも、検査体制の強化に努めていきます。
 インフルエンザの流行期を迎え、新型コロナウイルス感染症との同時流行が懸念されています。このため、高齢者がインフルエンザ予防接種を自己負担なく受けられる旨、対象者に個別に周知しました。10月の接種実績は、約7万件となり、昨年度と比べ3倍以上となっています。
 発熱などの症状がある場合には、先ず、かかりつけ医、区のコールセンター、都の発熱相談センターに相談して頂くよう周知し、その後の医療機関への速やかな受診、検査、治療につなげていきます。

新型コロナウイルスワクチン接種体制の構築

国は、来年前半までに国民全員分の新型コロナウイルスワクチンを確保する方針を示しています。現時点では、接種の開始時期は不明ですが、74万区民の皆さんが滞りなく受けられるよう、予め準備する必要があります。今月、専管組織を設置しました。接種管理システムの構築、医療従事者や接種場所の確保などの取組みを進めています。

各種事業の状況

次に、各種事業の状況についてです。
 区は、緊急事態宣言の解除以降、区立小中学校をはじめ、施設の利用を段階的に再開してきました。9月19日からは、密集などを避け、感染防止策を講じることを前提に、大声での歓声・声援等が想定されるものを除き、利用制限を解除しました。街かどケアカフェなど、施設を使用して実施する各種事業も、順次再開しています。
 生活困窮者支援策に積極的に取り組み、これまでに約3,300件の住居確保給付金、約750件の生活再建支援給付金を支給しています。求人開拓や事業所とのマッチング、定着支援を行う就労サポーターを増員し、生活保護に至る前の支援を更に強化します。
9月から開始したウィズコロナサポート事業では、これまでに、91件の出張相談を行っています。
練馬区商店街連合会のプレミアム付き商品券は、これまでに約2億円の買い物に利用されています。
延期していた西武新宿線連続立体交差事業の都市計画案等説明会は、10月7日から15日にかけて開催しました。来年度の都市計画決定に向けて、東京都や関係区市とともに手続きを進めます。
一方で、来年3月に予定していた「練馬こぶしハーフマラソン

教育・子育て施策

次に、教育・子育て施策についてです。

現在の「教育・子育て大綱」は、策定から5年が経ち、子どもを取り巻く環境が変化するとともに、新型コロナウイルス感染症により新たな課題が生じていることから、このたび改定を行うこととしました。

教育分野では、一人ひとりに応じたきめ細かな教育や、家庭・地域と協働した学校運営の推進を、子育て分野では、乳幼児親子の相談支援や保育サービスの更なる充実を、重点施策に位置付けました。

ICT機器やオンラインの積極的な利活用により、日常の学習活動を一層向上させるとともに、障害のある児童生徒や不登校児童生徒に対する、個々人に応じた学習支援を充実します。また、コロナ再拡大によるオンライン授業にも備えます。教員の活用能力を向上させるため、モデル校の研究成果の共有や研修の充実を進めます。

なお、タブレットパソコンの導入は、来年2月末までに完了します。

これまで「としまえん」を会場としていた「成人の日のつどい」について、今年度は1月11日に、練馬文化センターと南町小学校で、式典を午前と午後の2回に分け、感染防止策を講じたうえで開催します。

高齢者保健福祉計画、介護保険事業計画の改定

次に、高齢者保健福祉計画、介護保険事業計画の改定についてです。

高齢者保健福祉計画では、今後3年間の目標を定め、地域共生社会に対応する人材の育成、保健事業と介護予防事業の一体的な推進、認知症の早期発見・早期対応の体制整備などの施策を明らかにします。団塊の世代が後期高齢者となる令和7年までに、地域包括ケアシステムを確立します。介護保険事業計画では、今後3年間の介護保険サービスの利用量等の見込みをお示しする予定です。

障害者計画、障害福祉計画、障害児福祉計画の改定

次に、障害者計画、障害福祉計画、障害児福祉計画の改定についてです。重度化・高齢化が進むなか、家族の高齢化も同時に進んでいます。障害者が住み慣れた地域で自立して暮らし続けられるよう、一人ひとりの生活をどのように支えていくかが大きな課題です。

障害者計画では、障害児の早期療育や家族への支援、障害者の就労支援体制の強化、重度障害者の住まいやショートステイの整備など、ライフステージに応じた支援を充実するため、今後6年間の総合的な施策を定めます。障害福祉計画、障害児福祉計画では、国の基本指針に沿って、令和5年度までのサービスの供給見込み量をお示しする予定です。

耐震改修促進計画の改定

次に、耐震改修促進計画の改定についてです。

これまで、避難や救助、救援活動の大動脈となる特定緊急輸送道路沿道建築物の耐震化に精力的に取り組み、道路を閉塞する恐れのある建築物の96パーセントを耐震化しています。次期計画では、震災時に地域内を連絡する一般緊急輸送道路についても、新たに、沿道建築物耐震化の数値目標を定め、重点的に取り組んでいきます。

なお、これまで述べた大綱と各計画は、来月素案を公表し、区議会並びに区民の皆様のご意見を頂いたうえで、年度内に成案とします。

不燃ごみ中継施設の整備

次に、不燃ごみ中継施設の整備についてです。

最終処分場の逼迫を解決するには、ごみの減量化が不可欠です。

区内で収集される不燃ごみの約3割は、資源化できる金属類などであり、これを選別するため、不燃ごみ中継施設を整備します。平成30年度に、資源循環センター隣接地に用地を取得しており、令和4年度の事業開始に向け、来年早々、工事に着手する予定です。本定例会に、工事契約に関する議案を提出しています。

おわりに

都知事との意見交換
新型コロナウイルス対策では、保健所業務について都区の役割の問題点が浮き彫りとなり、また、特別区間のサービス競争を目の当たりにしました。特別区制度の再検討が必要な時期に来ているのではないか、という従来からの考えをより強くしています。

先月、小池都知事との意見交換の場で、先ず、この問題を提起したところ、都区制度には様々な課題があり、問題意識を共有しながら議論を進めたいという考えが示されました。

区の大きな課題である、練馬光が丘病院跡施設に誘致する病院の病床確保、練馬城址公園の早期整備に向けた具体像と事業スケジュールの明示、大江戸線延伸の早期事業化を要請しました。大江戸線延伸については、練馬区の皆様と連携しながら検討していきたいとの回答を頂きました。引き続き、都と連携しながら、これらの課題解決に取り組んでまいります。

財政運営の基本的考え方
16日に公表された速報値では、7月から9月の実質GDP成長率は前期比5.0パーセント増、年率換算で21.4パーセント増となりましたが、前の期の大幅下落を半分程度戻すにとどまっています。日本経済がコロナ前の規模に戻るには、早くて3年、遅ければ5年以上かかるとの見方も出ています。

世界的に見ても、感染の再拡大などにより経済の不確実性が増しており、回復が軌道に乗るには相当の期間を要すると予測されています。

我が国では、世界で最も早く少子高齢化が進み、赤字国債が累積900兆円という危機的状況にあるなか、新型コロナウイルス感染症の直撃を受けました。これまで行われた60兆円規模の緊急対策、現在検討中の20兆円規模の第3次補正に加え、今後見込まれる法人税や所得税を中心とした大幅な減収などにより、国の財政が更に悪化することは確実です。

練馬区では、数年にわたり、財政調整交付金や区民税等が大幅な減収となることは必至です。その一方で、生活保護費など予算総額の5割以上を占める義務的経費は、長期にわたり、更なる増加が確実となっています。

私たちは、かつて経験したことのない財政危機の到来を覚悟しなければならないのです。

現在、来年度予算案の編成を進めていますが、区民の命と健康を守る事業の推進を最優先とし、区民生活を支えるうえで、必要な施策は時機を逸することなく確実に実行する一方で聖域なく事業を見直します。

大規模な改修など施設整備については、事業費、事業規模、スケジュールを精査します。給付的事業や補助金等の見直しを進めるとともに、各種イベントも、感染拡大防止とコスト削減の両面から精査します。

危機的な財政状況にあって、私たち基礎的自治体に求められているのは、区民一人ひとりの生活に寄り添ったきめ細やかな支援、日々の生活を支える広い意味でのソフト・ハードのインフラの確保という本来の任務に、揺らぐこと無く、全力で取り組むことだと確信しています。

この危機を区民の皆様とともに乗り越えていく、そう決意しています。区議会の皆様のご理解、ご協力をよろしくお願いいたします。

なお、本定例会には、これまで述べたものを含め44件の議案を提出しております。宜しくご審議のほど、お願いいたします。

以上をもちまして、私の所信表明を終わります。

区議会での発言アーカイブ