令和4年 第一回定例会 所信表明

はじめに

 令和4年第一回練馬区議会定例会の開会にあたり、区政運営に対する所信の一端を申し述べ、区議会並びに区民の皆様のご理解とご協力をお願いしたいと思います。

 今月1日、都政に大きな足跡を残した石原慎太郎・元東京都知事が逝去されました。私は、都の幹部として、5年の永きにわたり知事を補佐し、仕事を共にしました。終生忘れ得ぬ方です。謹んで哀悼の意を表します。

 はじめに、新型コロナウイルス感染症について申し上げます。
 区内の感染者は昨日までに2万7,862人にのぼり、103人の方がお亡くなりになっています。改めて、深く哀悼の意を表し、現在も療養されている皆様の1日も早い回復を祈念申し上げます。 
 オミクロン株の急速な感染拡大により、世界全体の1週間当たり感染者数は2,200万人を超えています。
 国内では、年明けから新規感染者数が急激に増加し、国は、広島等3県に続き、東京都をはじめ1都12県に、まん延防止等重点措置を適用しました。その後、更に19道府県を追加し、全国の7割を超える35都道府県が対象となっています。
 都内では、1週間平均の新規感染者数が、1月5日の135人から2月2日の1万6,075人へと激増し、これまで経験したことのない危機的な感染状況が続いています。
 オミクロン株は感染力が強い一方で、重症化リスクが低いとも言われていますが、感染者の増加は、医療提供体制や社会インフラの維持に、更に重大な影響をもたらします。区民の皆様には、ご自身だけでなく、ご家族や周囲の方を守るためにも、引き続き、不要不急の外出は極力お控え頂き、マスクの着用、手洗いや消毒、こまめな換気、密閉・密集・密接の回避など、基本的な感染防止対策の徹底をお願いいたします。

令和4年度当初予算案と令和3年度12月補正予算

 令和4年度当初予算案は、「区民とともにコロナ禍を乗り越え、練馬の未来を拓くため、『練馬区モデル』を進化させる予算」と位置付け、策定中の「改定アクションプラン」に掲げる施策を中心に編成しました。一般会計予算額は、2,912億円、昨年度比87億円の増であり、うち49億円は、子育て、高齢者、障害者福祉の推進、病床の確保などの施策を充実するものです。また、令和3年度当初予算で緊急対策として中止、延期した事業等についても、改めて優先順位を精査した上で、その多くを予算化しました。病院、道路、公園、学校など区民生活を支える社会資本を形成する事業には、特定目的基金と起債を可能な限り活用し、持続可能な財政運営の堅持に努めていきます。また、昨年12月、国の補正予算の成立を受け、コロナ禍の影響を受けている方々への支援を早急に実施するため、今年度5度目となる補正予算を臨時会に提案し、全会一致で可決して頂きました。

令和4年度当初予算案及び12月補正予算に盛り込んだ区の取組みについて申し上げます

新型コロナウイルス感染症対策

感染拡大の防止と医療提供体制の充実
 まず、新型コロナウイルス感染拡大の防止と医療提供体制の充実についてです。
 ワクチン接種は、先月末までに約86パーセントの方が2回目接種を終えています。なかでも、高齢者の接種率が23区最高の約95パーセントにのぼっていることは、「練馬区モデル」の成果であると、誇りに思っています。
 昨年12月、医療従事者や高齢者施設入所者の3回目接種を開始しました。国の当初8か月としていた接種間隔の前倒し方針を受け、区は、一般高齢者を7か月として、23区で最も早い、先月6日に開始し、今月からは、これを前倒しして6か月としました。64歳以下の方についても6か月とします。
 また、保育士や小中学校の教員等は、在勤者も対象として、今月から実施しています。5歳から11歳までの小児への1回目接種は、3月の開始に向けて準備を進めています。
 個別接種は、引き続き約350の診療所の協力を得て、今月から開始しました。集団接種は、現在11か所の会場を16か所まで拡大するとともに、土日・夜間等のニーズにも対応し、現役世代や若年層が利用しやすくします。「練馬区モデル」を更に進化させ、「いつでも 近くて 安心な」ワクチン接種を実施していきます。
 昨年9月、かかりつけ医等の健康観察、在宅療養支援、酸素・医療提供ステーションによる「三つの柱」の取組みを構築しました。
 先月末、都は、重症化リスクが低く症状の軽い方や無症状の方について、療養者自身で健康観察を行う方式を導入しましたが、区では、医師会や薬剤師会と改めて協議し、引き続き、かかりつけ医等による健康観察を行うことを確認しました。
 現在、182か所の診療所、203か所の薬局で健康観察が行われています。酸素・医療提供ステーションでは、中和抗体薬の投与を中心に、これまで77人を受け入れています。
 保健所では、都が想定した練馬区の1日当たり新規感染者数最大240人を基に、予め125人体制を準備していましたが、感染者がこれを大きく超えたため、現在は180人体制に拡充しています。引き続き、感染状況に応じた体制を確保していきます。
 経口薬「モルヌピラビル」が、昨年末、医療機関及び薬局に配分され、区内でも既に投与が開始されています。これに続き、開発中の経口薬が早期に実用化されることを期待しています。

区民・事業者の支援
 次に、区民・事業者の支援についてです。
 子ども1人当たり10万円を支給する国の「子育て世帯への臨時特別給付金」のうち、児童手当受給世帯に対しては、昨年12月下旬及び先月中旬に5万円ずつ、計10万円を支給しました。高校生世代の子どものみの世帯に対しては、既に申請書の送付を開始しており、今月中旬以降、10万円の一括給付を順次行います。住民税非課税世帯に対する臨時特別給付金は、先月、対象世帯に給付案内と確認書を送付しました。確認書の返送後、順次、1世帯10万円の支給を進めます。生活に困窮している方々を支援するため、これまでに、住居確保給付金を約7,200件、生活困窮者自立支援金は、再支給を含め、約1,300件支給しています。
 区が独自に取り組んできた、事業者に対する特別貸付及び借換え特別貸付制度は、今年度末まで受付期間を延長して実施しています。特別貸付は4,500を超える事業者に411億円、昨年から開始した借換え特別貸付は239件、34億円の融資をそれぞれ実行しています。来年度は、借換え特別貸付を9月末まで延長します。

大規模イベント再開の検討
 次に大規模イベント再開の検討についてです。コロナ禍により、練馬まつりなど多くのイベントを中止せざるを得なくなりました。大規模イベントの再開には、多くの区民が期待を寄せています。感染動向等を注視しながら、区民の健康を第一に、再開について検討してまいります。

子育て・教育施策

 次に、子育て・教育施策についてです。

(仮称)都立練馬児童相談所の設置
 児童虐待が増加し、複雑化、深刻化しているなか、虐待が繰り返されるケースも多くなっています。都の広域的・専門的行政と、基礎的自治体である区の身近な支援の緊密な連携を更に深めていきます。
 東京都は、4年度予算案で、(仮称)都立練馬児童相談所設置の経費を計上しました。区立練馬子ども家庭支援センターが所在する施設内に、6年度に設置される予定です。都区合同のケース検討会議や虐待通告に基づく家庭訪問等が随時可能となり、一時保護や児童養護施設入所などの法的対応も更に迅速に行われるようになります。
 この度の都の方針により、都区連携による児童相談体制「練馬区モデル」が更に充実し、積極的な位置付けを得て、飛躍的に前進するものと考えています。

保育サービスの拡充
 日本全体で出生数の低下傾向が進む一方で、女性の就業率の向上や、幼児教育・保育の無償化などの影響により、保育需要は増加しています。
 こうしたなか、待機児童ゼロを継続するため、本年4月には、私立認可保育所を7園開園し、定員を381人拡大します。来年4月に向けて、新たに私立認可保育所9園を新設し、定員を410人増加させるとともに、練馬こども園1園を認定する予定です。
 保育所のICT化を推進し、連絡帳やお便り、身体計測記録等を、スマートフォンで確認出来るようにします。5年度までに、区立保育所全園でサービスを開始するとともに、民間保育施設への導入補助を継続します。

子育てサポートの充実
 少子化、核家族化、コミュニティの希薄化などにより、社会的に孤立し、子育てに不安や負担を感じる保護者が増えています。身近な場所で気軽に相談、交流できる環境の整備と、よりきめ細やかな支援の充実を進めます。
 育児不安や産後うつにつながることがないよう、出産直後から利用できる産後ケア事業の利用可能日数を拡大します。子どもの成長・発達に不安や悩みを抱える保護者の相談に、速やかに応じられるよう、保健相談所の心理相談員を増員するとともに、家庭等への訪問を開始します。
 現在6店舗で実施している「練馬こどもカフェ」を1店舗増やすほか、自ら子育て講座等を行う、自主運営型のこどもカフェを2店舗で試行実施します。
 希望する子育て支援サービスを簡単に探し、申し込むことが出来る「(仮称)ねりま子育て支援アプリ」の構築に向けて準備を進めます。来月から提供を開始する電子母子手帳アプリと連携し、利便性を向上させます。

放課後の居場所づくり
 地域・事業者との協働により、全ての小学生が安全かつ充実した放課後を過ごすことができる環境を整備します。
 「学童クラブ」と「ひろば事業」を一体的に行う「ねりっこクラブ」は現在37校で実施していますが、早期全校実施に向け、来年度は8校開設し、45校で実施します。待機児童がいる場合には、区が独自に創設した「ねりっこプラス」を実施します。

教育環境の充実
 夢や目標を持ち困難を乗り越える力を備えた子どもたちを育成するため、一人ひとりに応じたきめ細かな支援と安全で快適な教育環境の整備を進めます。
 「医療的ケア児支援法」の成立に先駆けて、区は独自の取組みを続けてきました。現在、学校等で、たんの吸引・導尿・経管栄養・血糖値測定及びインスリン投与を行っています。今後、更に支援を充実するため、福祉、医療と連携して新たな方針を策定します。
 老朽化する小中学校の改築は2校で設計に着手します。体育館の空調機設置工事を16校で実施し、新たに15校で設計を行います。

高齢者施策

 次に、高齢者施策についてです。
 3年後の令和7年には、団塊の世代全てが後期高齢者となります。地域包括ケアシステムの確立を着実に進めます。
 5年度に地域包括支援センターを2か所増設するため、準備を進めます。来年度、特別養護老人ホームを3施設開設・1施設増床し、都市型軽費老人ホームと看護小規模多機能型居宅介護施設をそれぞれ2施設開設します。いずれも施設数は、既に都内最多となっています。
 交流・相談・介護予防の拠点となる街かどケアカフェを、地域住民のサロン活動との協働により、来年度3か所増設します。
 現在、特別養護老人ホームや認知症グループホーム等で、元気高齢者が、清掃や洗濯などの軽作業等補助を行っています。新たにデイサービスを加え、活躍の場を拡げます。
 後期高齢者の増加や障害者の高齢化が進み、共通の課題が増加しています。これに対応出来る人材の確保・育成・定着を進めるため、本年4月に介護分野と障害分野の研修センターを統合します。

 

福祉・医療施策

 次に、福祉・医療施策についてです。

障害者施策
 障害者の高齢化・重度化、家族の高齢化が進むなか、障害者一人ひとりの自立した地域生活を支えていきます。
 聴覚障害や視覚障害など、障害の特性に応じた多様なコミュニケーション手段を充実し、共生社会の実現を目指す「(仮称)練馬区障害者の意思疎通に関する条例」を制定します。今月、素案をお示しし、区議会並びに区民の皆様、障害者団体の皆様からご意見を頂いたうえで、6月に成案化する予定であり、来年度から関連事業を順次開始します。
 本年11月から、障害児及び発達に心配のある児童の保護者が、疾病等により一時的に保育が必要となった際に、こども発達支援センターで一時預かりを実施します。

新興感染症等に対応した医療施設の整備
 新型コロナウイルス感染症対応の経験を活かし、今後起こりうる新興・再興感染症に備えて対応力を強化します。また、高齢化の進展に伴う医療需要を見据え、入院から在宅医療に至るまで切れ目ないバランスの取れた医療提供体制を整備していきます。
 順天堂練馬病院では、感染症の拡大時や災害時に備えた医療提供体制の確保、三次救急レベルの医療機能の整備を促進します。
 練馬光が丘病院は、高度急性期・急性期機能を充実するとともに、光が丘地域で初となる回復期機能の病床を整備して457床の病院とし、本年10月に開院します。感染症に対応できる診察室や病床などを整備し、機能をより一層強化するとともに、区内で初めて、医療的ケアに対応した、障害者のショートステイを行います。
 練馬光が丘病院移転後の跡施設を活用し、医療・介護の複合施設の7年4月開設を目指します。医療分野では、区内初の緩和ケア病床に加え、光が丘地域初となる地域包括ケア病棟、認知症治療病床を有する157床の病院を整備します。介護分野では、区内初の介護医療院のほか、介護福祉士養成施設、都内初となる障害福祉サービスも提供する看護小規模多機能型居宅介護施設の整備を進めます。

コロナ禍を乗り越える区民一人ひとりの健康づくりを応援
 新型コロナウイルス感染症の影響により自宅で過ごす時間が増え、心と身体の健康リスクが高まっています。区民一人ひとりの健康づくりへの取組みを応援します。
 練馬区の地域特性を活かしたみどり健康プロジェクトの一環として、民間企業・健康関連団体と連携し、健康に関する様々なテーマについて楽しく気軽に学べるオンラインイベントを開催します。
 自殺防止対策を強化します。ゲートキーパーの養成研修を充実するとともに、学習のための動画配信を開始します。
 仕事や子育て等で忙しい方々が健診を受診しやすくなるよう、会場の保育サービスを充実するとともに、受診日を指定出来るインターネット申込みを開始します。また、骨粗しょう症検診と予防教室を始めます。
 がん患者やその家族を支援する連絡会を設置し、療養生活を住み慣れた地域で安心して続けられるよう応援します。ニーズ調査を実施し、連絡会での議論を踏まえ、支援事業を検討します。

まちづくり、環境施策

次に、まちづくり、環境施策についてです。

災害に強いまちづくり
 老朽木造住宅が密集し、地震発生時の建物倒壊や延焼の危険性が高い地域では、災害時にも大きな被害を受けることのないよう、防災まちづくりを推進しています。
 来年度、桜台東部地区では、地域の皆様とともに、まちづくり計画を取りまとめ、密集事業の着手を目指して、整備計画を策定します。区独自に指定した「防災まちづくり推進地区」である、田柄、富士見台駅南側、下石神井の3地区では、都条例に基づく新たな防火規制区域を指定し、建物の不燃化を促進します。

都市インフラ整備とまちづくり
 鉄道や都市計画道路など遅れている交通インフラの整備を着実に進め、これに合わせた周辺のまちづくりに取り組むことで、快適で暮らしやすいまちの実現を目指します。
 東京都交通局の4年度予算案において、「地下鉄12号線の延伸に関する調査」と明示した経費が、初めて計上されました。事業者としての大江戸線延伸具体化への意向が明確に示されたと考えています。都と連携して、区も調査・検討を行い、早期事業化を目指し協議を進めていきます。(仮称)大泉学園町駅予定地周辺では、大泉学園通りの拡幅事業に取り組み、桜並木再整備や無電柱化などを進めるとともに、駅前広場の整備や商業施設等の立地誘導など新たな拠点づくりを検討していきます。沿線で先行して進めてきた土支田中央土地区画整理事業は、今年度に全て終了します。
 西武新宿線の連続立体交差化計画は、昨年11月、東京都が都市計画決定し、関連する道路計画を区が決定したことにより、大きく前進しました。引き続き、都や西武鉄道、沿線区市と連携し、4年度から5年度の事業認可を目指し、用地測量等を実施します。
 上石神井駅周辺では、来年度の地区計画の都市計画決定を目指し、武蔵関駅周辺では、交通広場や補助230号線の事業化に向けて、用地測量や設計を実施します。
 石神井公園駅南口西地区市街地再開発事業については、組合設立に向けた事業計画の作成や、権利変換計画の検討を支援し、事業を促進します。併せて、都市計画道路補助232号線の事業認可に取り組みます。
 光が丘駅周辺で更なるバリアフリー化を進めます。駅南側出入口周辺で下りエスカレーター及びスロープの設置工事に着手します。また、練馬光が丘病院の移転に合わせ、駅と病院を結ぶ経路に、視覚障害者誘導用ブロックや案内板を整備します。

練馬のみどりを未来へつなぐ
 練馬のみどりを守るため、引き続き特色ある公園の整備などにより、みどりのネットワークの形成を進めるとともに、みどりを育むムーブメントの輪を広げていきます。
 長期プロジェクトである稲荷山公園の整備に向けた取組みを進めます。今年度の基本計画策定に続き、来年度は、詳細なゾーニングや着手する事業区域などを検討し、実施計画を策定します。
 練馬区みどりを育む基金は、複数の事業から応援したいメニューを選択できるようリニューアルした結果、寄付件数が大幅に増加しました。来年度は、牧野富太郎博士の書斎再現プロジェクト、「(仮称)農の風景公園」で使用するトラクター調達プロジェクトに、基金を活用します。

脱炭素社会の実現に向けた総合的な環境施策の展開
 国は、2050年までに温室効果ガスの排出を実質ゼロにする脱炭素社会の実現を目指しています。
 住宅都市練馬区では、二酸化炭素の5割以上が家庭から排出されており、区民一人一人の行動が大きな意味を持ちます。地域住民、学校、事業者、民間団体等、様々な主体と協働し、「エネルギー」「清掃・リサイクル」「みどり」「地域環境」の4分野を柱に、一歩一歩、脱炭素を推進しています。区内最大の事業者である区自身も、庁舎等の省エネルギー化、電気自動車等の導入推進、プラスチックを含むごみ排出量の抑制などの取組みを続けています。こうした取組みの充実による、2050年の二酸化炭素実質排出ゼロに向けて、来年度中に、脱炭素社会の実現に向けた計画を策定します。
 計画の策定に先立ち、4月から不燃ごみ資源化事業を開始します。1年間で、約1,500トンの金属類等を資源として有効活用出来るようになります。

 

経済、都市農業、文化施策

次に、経済、都市農業、文化施策についてです。

産業振興、商店街振興
 コロナ禍により、事業環境が大きく変化し、事業活動におけるデジタル化の必要性が高まっています。
 4月から、練馬ビジネスサポートセンターで、中小企業診断士によるデジタル化専門相談を開始するとともに、デジタル化・イノベーション等支援特別貸付を実施します。事業者の販路拡大を支援するため、商談交流会の実施回数を増やし、オンライン開催を進めます。
 「スマート商店街プロジェクト」を開始し、デジタルを活用した魅力発信やキャッシュレス化などの取組みを促進します。引き続き、練馬区商店街連合会が実施する30パーセントのプレミアム付商品券事業を支援します。

都市農業施策
 区内には、豊かな畑地や屋敷林、それを取り囲む並木など、練馬の原風景が残されています。この素晴らしい光景を将来の世代へ引き継がなければなりません。
 都市農業に先進的に取り組む国内都市から、農業者や行政関係者を招聘し、「(仮称)全国都市農業フェスティバル」を開催します。5年11月の開催に向けて準備を進めます。
 「(仮称)農の風景公園」は、管理棟などの建設工事に着手し、来年3月に開設します。特定生産緑地については、対象の約9割を超える農地を指定しています。引き続き、東京あおば農業協同組合と連携し、指定勧奨に取り組んでいきます。全区立小学校における農業者と連携した体験学習や、農福連携の更なる推進などにより、都市農業の振興に取り組みます。

文化施策
 みどりの中で優れた文化芸術を楽しめるまちを実現します。
 美術館再整備基本構想(素案)で掲げた、「まちと一体となった美術館」「本物のアートに出会える美術館」「併設の図書館と融合する美術館」の3つのコンセプトを実現し、練馬独自の新しい美術館を創造するため、敷地を拡張し、全面改築します。来年度は、基本設計に着手します。また、地元の町会・商店会と連携して、中村橋駅周辺のまちづくりを進めます。
 区立図書館は、社会状況の変化や多様化する区民ニーズに対応するため、「(仮称)これからの図書館構想」の策定に向けて検討を進めています。検討委員会からの報告を踏まえ、6月に素案を公表し、区議会並びに区民の皆様のご意見を頂いたうえで、11月に成案とする予定です。
 「映像∞文化のまち構想」に基づき、映画・アニメ・漫画など、区の映像文化資源を活かし、ソフト・ハードが一体となった夢のあるまちづくりを進めます。練馬区ゆかりの俳優等による対談動画「ねりま映画サロン」の配信、小中学生の映像文化体験、名画上映会の開催などを通して、幅広く映像文化に触れる機会を創出していきます。
 ハリーポッター・スタジオツアー施設が、来年春オープンします。ワーナーブラザースと連携し、作品の上映イベントを開催するほか、周辺商店会や町会などと連携して練馬の新しい魅力を発信します。

区民協働・区政改革

次に、区民協働・区政改革についてです。

区民協働の推進
 区政最大のパートナーである町会・自治会は、コロナ禍により活動が大きく制約されており、加入案内や広報活動等にSNS等を活用出来るよう支援していきます。
 先進的な取組みをまとめた実践事例集の作成、講習会の実施、アドバイザーの派遣に加えて、通信回線使用料補助を開始します。また、町会・自治会の加入を促進するため、近く作成する集合住宅向けのハンドブックを活用します。
 地域で活動する団体同士の交流を進めるため、「練馬つながるフェスタ」を6地域に拡大します。「つながるカレッジねりま」のみどり分野に新たなコースを開講し、憩いの森の区民管理の拡充を進めます。

窓口から区役所を変える
 区はこれまで、「またない」「まごつかない」「何度も書かない」窓口の実現に向け、窓口情報提供システムや申請書一括作成システムを順次導入し、目に見える形で窓口改革を進めてきました。
 来年度は、新型コロナの感染拡大防止と区民の更なる利便性向上のため、キャッシュレス決済を拡大します。区民事務所など11か所の窓口で、住民票や印鑑証明書など各種証明書の手数料の支払いに、クレジットカードや電子マネー等を使えるようにします。また、国民健康保険料に加え、住民税、保育料、介護保険料などの口座振替手続きをスマートフォンやパソコンで出来るようにします。
 お悔やみに関する専用の窓口を設置し、多岐にわたる手続きの申請書などを一括してお渡しするとともに、関係機関をご案内します。

おわりに

 「改革ねりま」の実現を目指し、無我夢中で仕事をしているうちに、あっという間に8年が過ぎようとしています。この間、政策と行政運営の両面にわたり、様々な「練馬区モデル」を構築し、練馬区の発展に力を尽くしてきました。みどりの風吹くまちビジョンをはじめ、区政改革計画、グランドデザイン構想、第2次ビジョン、公共施設等総合管理計画などを策定しました。
 私は若い時から、広い意味での福祉の増進こそが、自分のライフワークだと思い定めて、行政に取り組んできました。区長となってからも、こども、高齢者、障害者やひとり親家庭など、支援が必要な方々への施策や、病床の確保をはじめ医療の充実などに重点的に取り組んできました。併せて、区民の生活に必要な、道路・公園、みどり、産業、農業、文化など、ソフト・ハードのまちづくりも着実に進めることが出来たものと考えています。
 特にこの2年間は、新型コロナウイルス感染症から区民の命と健康を守り、生活を支えるために、他の自治体に先駆けて様々な施策を実行してきました。なかでも、国と綿密に協議して構築したワクチン接種体制「練馬区モデル」は、今では全国自治体の標準モデルとなっています。

 私の目指す改革とは、区民の生活や街の姿を、区民の皆様とともに、目に見える形で良くする事、そのために区の行政を変える事であり、「区民の実感に届く行政」を基本としてきました。
 もとより、それは行政の力だけで出来るものではありません。常に、区民との協働により実現しようと努めてきました。それこそが、住民に最も身近な基礎的自治体である区の役割であり、住民自治を体現することであると考えています。
 些かなりとも区の将来を拓くことが出来たかと、手応えを感じていますが、「改革ねりま」は道半ばであります。今ここで投げ出すわけにはいきません。区民の皆様と手を携えて、この難局を乗り越え、更に練馬区モデルを進化させ、積み重ねていきたい。区民の皆様の声を糧に、「ここに練馬区あり」と胸を張れる自治体を目指し、この道をまっすぐ歩んでいきたい。そう考えています。
 区民の皆様にご信任を頂けたならば、来期も区長として練馬区の発展に全力を尽くす決意であります。

 なお、本定例会には、「令和4年度一般会計歳入歳出予算」など、29件の議案を提出しております。宜しくご審議のほど、お願いいたします。

 以上をもちまして、私の所信表明を終わります。

区議会での発言アーカイブ