令和3年 第一回定例会 所信表明

はじめに

令和3年第一回練馬区議会定例会の開会にあたり、区政運営に対する所信の一端を申し述べ、区議会並びに区民の皆様のご理解とご協力をお願いしたいと思います。

新型コロナウイルス感染症の区内感染者は昨日までに4,353人にのぼり、51人の方がお亡くなりになっています。改めて、深く哀悼の意を表し、現在も療養されている皆様の1日も早い回復を祈念申し上げます。

はじめに、令和3年度当初予算案編成の基本的考え方について申し上げます。
東京の経済は企業活動に支えられていますが、コロナ禍による企業収益の悪化で法人税収が大きく落ち込んでいます。練馬区においても、元年度決算と比較して、今年度・来年度合計で216億円の減収が見込まれます。かつてリーマンショックの際、区の一般財源は5年間にわたり総額400億円以上の減収となりましたが、今回は、それを上回ると想定され、大変厳しい状況となっています。一方で、生活保護費など社会保障経費をはじめとする義務的経費が増加し、また、大規模改修や改築等が必要な施設も年々増えています。私たちは、かつて経験したことのない財政危機の到来を覚悟せざるを得ないのです。
とは言え、区民の生命・健康、安全・安心を守ることは、基礎的自治体である区の最大の責務です。区民生活を支えるうえで必要な施策は、時機を逸することなく確実に実行しなければなりません。
ご提案している令和3年度当初予算案は、「コロナ禍を区民とともに乗り越え、区民とともに前に進むため、最大限努力し、区民サービスの水準を確保する予算」として編成しました。

令和3年度当初予算案

一般会計予算額は、2,826億円、昨年度比約1億円の減です。
財政状況を踏まえた緊急対策として、アクションプラン事業、公共施設等総合管理計画事業のうち、小中学校の改築や体育館空調の整備、生涯学習センター等の大規模改修工事など、新規に着手する設計、工事を延期しました。照姫まつり、練馬こどもまつり、薪能、練馬まつり、こぶしハーフマラソンなどのイベントは中止・縮小し、高齢者いきいき健康券、第3子誕生祝い金など補助・給付的事業も、対象や金額などの見直しを行い、歳出を削減しています。
加えて、病院、道路、公園、学校など区民生活を支える社会資本を形成する事業には、特定目的基金と起債を可能な限り活用し、財源を確保しました。
予算全体は昨年度とほぼ同規模ですが、子育て、福祉、医療関連施策予算は約15億円の増となっています。

教育・子育て施策

次に、子育て・教育施策についてです。

保育サービスの拡充

保育所の待機児童は2年連続で過去最少を更新し、昨年4月1日時点で11人へと大幅に減少しました。本年4月には、私立認可保育所を9園開園し、定員を474人拡大するとともに、今年度認定した練馬こども園1園が事業を開始します。来年4月に向けては、新たに私立認可保育所8園を新設し、定員を370人増加させます。
障害児保育の質を高めるため、全ての私立認可保育所への臨床心理士等による巡回指導を開始し、地域型保育施設への区独自の障害児受入れ加算を設けます。訪問看護事業所の協力を得て、区立保育所でインスリン注射等の医療的ケアを行います。
園からのお知らせや連絡帳、アンケートなどのICT化については、既に多くの私立認可保育所で導入が進んでいますが、区立保育所では、情報セキュリティに関する国の方針により遅れていました。保護者の利便性を向上させるため、先ず3年度は、民間委託19園で開始し、段階的に拡大します。

児童相談体制の強化

昨年7月、練馬区と東京都が合同で設置した虐待対応拠点は大きな成果を上げています。
父親の虐待を恐れて学校からの帰宅を拒否したケースでは、児相職員が拠点から学校に直ちに駆けつけ、支援に繋げました。子ども家庭支援センターが継続的に関わっていたひとり親家庭については、拠点の児相職員と協議して、迅速な一時保護を行いました。
来年度から、都区それぞれで受け付けた虐待通告について、初期対応の振り分けを都区の職員が合同で行います。
保護者の入院や出産などの際に、一時的に養育を行う家庭型ショートステイ事業を先月から7家庭で開始しましたが、来年度、更に拡大していきます。

子育てサポートの充実

バスや電車での移動が難しい3歳未満の多胎児家庭に対し、健診や予防接種などで外出する際のタクシー利用の費用助成を開始します。また、育児支援ヘルパー事業の利用料を更に軽減するとともに、ファミリーサポート事業では、2歳未満の多胎児は1人分の料金で利用出来るようにします。
妊婦健診や乳幼児健診の記録を電子化し、どの保健相談所でも健診や相談を受けられるようにします。また、健診記録や予防接種のスケジュール、育児のアドバイスなど、子育て情報の取得がスマートフォンで手軽に出来る「電子母子手帳アプリ」を来年度中に導入します。

放課後の居場所づくりの推進

全ての小学生を対象に、放課後や夏季休業中の安全で安心な居場所づくりを更に進めます。
「学童クラブ」と「ひろば事業」を一体的に行う「ねりっこクラブ」は現在27校で実施していますが、4月に新たに10校で開設します。また、ねりっこ学童クラブの待機児童の解消に向け、練馬区独自の「ねりっこプラス」を開始し、朝夕の延長保育を含め学童クラブに準ずる事業を行います。

教育環境の充実

夢や目標を持ち困難を乗り越える力を備えた子どもたちを育成するため、一人ひとりに応じたきめ細かな教育と安全で快適な教育環境の整備を進めます。
今月中に、全児童生徒1人1台のタブレットパソコンの導入が完了し、来年度は、これを活用した授業を行うため、「(仮称)ICT実践事例集」を作成します。ICT支援員を14人から28人に倍増し、教員のサポート体制を強化します。
増加する不登校児童・生徒への支援を充実します。来月、新たに上石神井駅近くに適応指導教室を開設するとともに、来年度からの2か年で実態調査を行います。
小中学校のうち、既に工事や設計に着手している6校では、起債の活用等により改築を進めます。また、体育館空調の整備は11校で実施します。
国は、小学2年生から6年生までの学級編制基準を、来年度から段階的に35人とする方針を決定しました。2年生では既に実施済みですが、対象学年の順次拡大に向けて、教員の確保や普通教室の増設等に適切に対応していきます。

高齢者施策

次に、高齢者が住み慣れた地域で暮らせるまちについてです。
団塊世代の全てが後期高齢者となる令和7年に向けて、医療・介護・予防・住まい・生活支援が一体的、継続的に提供される地域包括ケアシステムを確立しなければなりません。

高齢者みんな健康プロジェクトの推進

法改正により、区が保有する医療・健診・介護等のデータを横断的に利用出来るようになりました。これを積極的に活用して、課題を抱えた高齢者を抽出し、一人ひとりへの支援に繋げる「高齢者みんな健康プロジェクト」に着手します。新たに、管理栄養士等の、高齢者保健指導専門員と地域包括支援センターが連携して、糖尿病重症化予防、フレイル予防、ひとり暮らし高齢者等訪問支援など、総合的な取組みを全国に先駆けて開始します。
 糖尿病重症化予防では、健診結果等から見て重症化リスクの高い後期高齢者の方への訪問相談を実施します。医療機関受診のほか、栄養士や地域ボランティアによる栄養講座への参加を促し、生活習慣の改善に繋げます。
 フレイル予防では、身体機能低下の傾向が見られる方を対象に、訪問相談を実施します。また、訪問相談後もフレイル予防に継続して取り組めるよう、30か所に拡充する街かどケアカフェで健康教室などを開催します。
 ひとり暮らし高齢者等訪問支援では、ひとり暮らし高齢者や高齢者のみ世帯の方で、健診の情報が無く、健康状態が不明な方を訪問し、介護予防事業など必要な支援に繋げます。
 地域包括ケアシステムの確立には、在宅医療との連携も不可欠です。本年4月、「医療連携・在宅医療サポートセンター」を練馬区医師会に開設します。地域包括支援センターと連携して、病院から在宅療養へ移行する際の訪問診療医の紹介や一時入院の調整などに取り組みます。

認知症対策の充実

認知症を早期に発見・診断するため、医師会と連携して10月から、70歳と75歳の方を対象に「もの忘れ検診」を開始します。地域包括支援センターが専門医への受診や介護予防事業等の利用を支援します。
 認知症発症要因の1つと言われている難聴対策として、65歳以上の住民税非課税世帯の方で、専門医により必要性が認められた方に補聴器購入費用を助成します。

特別養護老人ホームの整備

既に施設数が都内最多である特別養護老人ホームは、来年度2施設を開設、1施設を増床し、定員を177人増の2,422人とします。令和7年に向けて、4年度以降は、4施設の整備、1施設の増床により、定員を2,878人とします。

福祉・医療施策

次に、安心を支える福祉と医療のまちについてです。

障害者のライフステージに応じたサービスの提供
障害者が住み慣れた地域で自立して暮らし続けるためには、障害特性に応じたきめ細やかな支援が必要です。
 先月から、重度訪問介護利用者の大学等の修学支援事業を開始し、新たに通学時や大学などでの身体介護を提供しています。また4月から、外出が困難な精神障害1級の方を、福祉タクシー事業及び自動車燃料費助成事業の支給対象とします。
 共生社会を実現するには、聴覚障害や視覚障害など、個々の特性に応じた多様なコミュニケーション手段を充実することが必要であり、「(仮称)障害者の意思疎通に関する条例」の検討に着手します。

ひとり親家庭自立応援プロジェクトの充実
 貧困率が相対的に高いひとり親家庭の自立を支援するため、平成29年度に、生活・就労・子育ての3つの支援を組み合わせて提供する「ひとり親家庭自立応援プロジェクト」を開始しました。自立支援プログラムや訪問型学習支援など、23区で最も多くの事業を実施しています。
 ひとり親家庭は、養育費の未払いにより生活が不安定になる事例が多くあります。養育費の取り決めに関するパンフレット、弁護士による法律相談に加えて、来年度から、養育費の確保に向けて、公正証書の作成費用や調停申し立て及び裁判に必要な収入印紙代等の助成を開始します。

住まい確保支援策の充実
 来年度から、住まい確保支援事業を充実します。精神障害者や高齢者などを対象に、物件の見学や契約へ同行して住まいを探し、入居後も状況を確認して福祉サービスに繋ぐ、「伴走型支援」を実施します。

医療環境の整備
 順天堂練馬病院は4月にリニューアルオープンの予定です。病床が90床増えるほか、心臓血管外科の新設やNICUなどの増設により救急医療及び周産期医療等の医療機能が充実します。
 高野台新病院の整備、練馬光が丘病院の移転改築工事は、4年度の開院に向け順調に進んでいます。
 練馬光が丘病院の跡施設を活用し、医療・介護の複合施設として、7年4月の開設を目指します。医療分野では、地域包括ケア病棟や区内には無かった緩和ケア病床を有する157床の病院を、介護分野では、医療機能と生活施設機能を兼ね備えた区内初の介護医療院に加えて、介護福祉士養成施設を整備する予定です。
 これらが実現すると、私の就任時約1,800床だった病床が2,800床を超え、約1,000床の増床となります。

まちづくり、環境施策

災害に強いまちづくり
 次に、災害に強いまちづくりについてです。
 地域ごとのリスクに応じた攻めの防災を推進し、安全なまちの実現に向けた取り組みを進めます。
 建築物の更なる耐震化に向け、今年度末に練馬区耐震改修促進計画を改定します。
 特定緊急輸送道路沿道建築物の耐震化は96パーセントまで進み、今後は、一般緊急輸送道路沿道建築物の耐震化に重点的に取り組みます。戸建住宅については、来年度から助成率や助成限度額を拡充し、一層の耐震化を促進します。
 貫井・富士見台地区に続き、桜台地区において来年度中の密集事業の着手を目指します。地域の皆様とともにまちづくり計画を策定し、密集事業の整備計画を検討していきます。
 区独自の防災まちづくり推進地区に指定した田柄、富士見台駅南側、下石神井の3地区で、今年度内を目途に路線指定する避難路沿道での危険なブロック塀等の撤去、狭あい道路の拡幅を進めます。老朽木造家屋の除却を促進するとともに、建替え時における不燃化を進めるため、都条例に基づく「新たな防火規制」の区域指定を検討していきます。

都市インフラ整備とまちづくり
 次に、都市インフラ整備とまちづくりについてです。
 新型コロナウイルスの感染拡大により、鉄道の利用者数や利用時間帯に変化が見られますが、大江戸線の延伸は、区北西部に残された、23区でも数少ない鉄道空白地域の解消と、区の今後の発展に不可欠であり、必ず実現しなければならない事業です。
 駅やトンネルの構造、車両の留置施設など、延伸に必要となる具体的な事項について、引き続き都と連携して協議を進め、早期実現に向けて積極的に取り組んでいきます。延伸地域では、来年度、大泉学園地区において地区計画の都市計画決定を目指すとともに、新駅周辺の駅前広場整備、商業施設等の立地誘導策の検討を行います。大泉町2丁目地区においても、地区計画策定に向けて、地域の皆様と検討を進めます。
 西武新宿線の連続立体交差事業については、昨年10月に側道及び駅前広場の計画と合わせて、都市計画案の説明会を開催しました。今後も都や沿線区市と連携し、来年度の都市計画決定に向けて手続きを進めます。武蔵関駅周辺では、都市計画道路補助230号線の事業認可取得に向けた測量を実施します。
 連続立体交差事業の進捗に合わせて、沿線各駅周辺では地区計画や建物の共同化について地域の皆様と協議を進めます。
 石神井公園駅南口西地区市街地再開発事業については、昨年12月に、市街地再開発事業等の都市計画を決定しました。来年度中の事業認可取得に向け、再開発準備組合の事業計画作成を支援します。区は、再開発事業に合わせた都市計画道路補助232号線の事業認可取得を目指して測量及び設計を実施し、商店街通りの無電柱化と並行して街並み整備の検討を進めます。

特色ある公園づくり
 白子川の源流部に位置する約5ヘクタールの大泉井頭公園は「水辺空間の創出」、約4キロ下流に位置する約10ヘクタールの稲荷山公園は「武蔵野の面影」をテーマに、みどりの拠点づくりを進める長期プロジェクトとして、検討を進めている都市計画公園です。多くの区民に親しまれ、23区唯一の大規模なカタクリ群生地など、希少な自然に恵まれた稲荷山公園は、基本計画を来年度策定します。今月、素案を公表し、区議会並びに区民の皆様のご意見を伺ってまいります。
 「第15回みどり香るまちづくり企画コンテスト」の最高位、環境大臣賞の受賞が決定した四季の香ローズガーデンを、5月1日に開園します。大きく拡張したバラ園の整備には、みどりの葉っぴい基金・ローズガーデンプロジェクトの寄付金を活用させて頂きました。「四季の香」と命名された新品種をはじめ、約140種のバラが織りなす色彩のグラデーションが、来園者をお迎えします。
 大泉学園町希望が丘公園は、区立公園初となる300平方メートルの屋根付広場、子どもたちが遊べる遊戯広場、幅広い世代の方々が利用出来る多目的広場などを備えた公園として拡張整備し、秋の開園を目指します。
 都は、練馬城址公園の整備計画を公園審議会に諮問していましたが、先月、中間のまとめが公表され、パブリックコメントを実施しています。引き続き、区民の皆様に対する丁寧な説明を都に要望するとともに、区の求める公園機能の実現に向けて協議してまいります。

環境施策の推進
 国は、昨年10月、2050年までに温室効果ガスの排出を実質ゼロにする目標を明らかにし、従来の方針から大きく踏み出しました。区はこれまでも、温室効果ガスの排出削減に努力してきましたが、今後国から示されるロードマップ等を受け、区民、事業者と協働して取り組んでいきます。

スポーツ・都市農業・文化施策

東京2020オリンピック・パラリンピック
 東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会の開催まで、5か月余りとなりました。引き続き、国、東京都、組織委員会と連携しながら、大会に向けて準備を進めます。

都市農業の振興
 世界都市農業サミット宣言で、都市農業の魅力と可能性が確認されました。練馬の農業と農地を次世代に引き継いでいきます。
 高松と南大泉の「農の風景育成地区」については、来年度引き続き、地域住民による活動を支援します。昨年7月、東京あおば農業協同組合と協定を締結し、特定生産緑地の指定を強く働きかけ、91パーセントの方から申請を頂きました。連携して、指定勧奨を積極的に行っていきます。サミット参加5都市とは、引き続き交流を深化させ、都市農業の発展に繋げていきます。庭先直売所、区内産農産物を使用している飲食店、マルシェ等の農業イベント、商店街イベント等の情報を発信するアプリ「(仮称)とれたてねりま」を秋にリリースする予定です。

文化施策の推進
 みどりと文化芸術が一体となったまちの実現に向けて、「(仮称)文化芸術戦略会議」を設置し、検討を進めます。また、コロナ禍により遅れていた、「美術館再整備基本構想」、「映像∞文化のまち構想」、「(仮称)これからの図書館構想」を策定します。

協働の推進、区政改革

コロナ禍により、町会や自治会をはじめとする地域活動団体にも大きな影響が生じているなかで、様々な団体が地域の課題に立ち向かっています。参加と協働に意欲的に取り組んできた区民の皆様の努力が、目に見えてきたものと考えています。「集合住宅における加入促進ハンドブック」を作成するなど、区政最大のパートナーである町会・自治会を引き続き支援します。
 区役所の顔というべき「窓口」を改革するため、窓口情報提供システムの稼働、練馬区民事務所のカウンター改修などを順次実施し、「待たない」「まごつかない」「何度も書かない」窓口の実現に取り組んでいます。
 先月から区民事務所に導入した「申請書一括作成システム」により、転入・転出などの届出に際し、住所・氏名などの情報を関連する複数の申請書に一括して印字し、区民が記入する手間を省きました。また、区ホームページの「手続き案内サービス」で、一人ひとりの目的に応じて必要な手続きや持参して頂く物、窓口の場所を事前に確認出来るようにしています。
 行政のデジタル化を進めるため、押印や書面、対面などの規制の見直しに取り組んでいます。区の権限で廃止出来る押印は、本年3月末までに廃止し、オンラインで出来る手続きを拡大します。
 住民税や軽自動車税、国民健康保険料の納付手段に4月からPayPayを導入し、キャッシュレス化を進めます。また、国民健康保険料口座振替の申請手続きをウェブで可能とします。
 高度な専門知識が必要な税額確認業務に、ベテラン職員のノウハウを学習させたAIを全国で初めて導入し、来年1月から本格運用を開始します。
 練馬区のマイナンバーカードの交付率は、1月1日時点で、約3割であり、今後も増加が続くと見込まれます。昨年末、交付場所を西庁舎1階に移転し、交付窓口を増設して対応しています。今後、練馬以外の区民事務所でも、交付窓口を増設します。
 今月、主に内部事務を取り扱う部署において、テレワークの試行を開始しました。
 昨年4月にタブレットパソコンを100台導入し、介護認定審査会や建築審査会、練馬こどもカフェなどのオンライン開催に活用しています。来年度は更に100台追加し、対象事業を拡大します。

新型コロナウイルス感染症対策

次に新型コロナウイルス感染症対策についてです。
 区が情報提供を目的とするコールセンターを設置したのは、昨年の今日でした。1年間でコロナをめぐる状況は様変わりしました。
 世界全体で感染者が1億人を超え、225万人の方が亡くなられています。アメリカやイギリスなど世界各国でワクチンの接種が始まりつつありますが、感染者の増加が止まらず、変異株が相次いで発見されるなど、世界で猛威を振るっています。
 政府は先月7日、東京、千葉、埼玉、神奈川の1都3県を対象に1月8日から2月7日までを期間とする緊急事態宣言を発出し、その後、対象地域を11都府県に拡大しました。宣言後、新規感染者数は、1月のピーク時に比べ減少傾向となったものの、医療提供体制の危機的状況が続いています。政府は一昨日、栃木県を除く10都府県の緊急事態宣言を3月7日まで延長し、同日、東京都は、人流の抑制を最優先に、日中も含めた不要不急の外出自粛要請、飲食店等に対する営業時間短縮要請等、緊急事態措置の継続を決定しました。
 区は、これらを受けて、昨日、「新型コロナウイルス感染症に対する練馬区方針」を改めて決定しました。これまでに引き続き、区立施設は、開館時間を午後8時までに短縮し、施設内での飲食や入浴は禁止とします。また、感染リスクが高い室内で行うスポーツ、合唱、カラオケ等の利用者に対しては、感染防止の注意喚起を徹底します。
 区民の皆様には、これまで長期にわたって感染防止にご協力頂いてきましたが、今後も日中を含めた不要不急の外出は控えて頂き、特に午後8時以降は徹底するようお願いします。マスクの着用、手洗いや消毒、こまめな換気、「密閉」「密集」「密接」の回避など、感染防止対策を徹底するよう改めてお願いいたします。
 医療現場では、医師・看護師をはじめ多くの皆様が、昼夜を問わず献身的な努力を続けています。医療従事者の皆様の支援のために、区内外から多くの寄付が寄せられました。最前線でご苦労されている皆様に、感謝の意を表せるような活用策を検討していきます。 

 区は昨年来、4次にわたり補正予算を編成するなど、機動的に対応してきましたが、来年度も引き続き、全力で取り組んでまいります。

感染拡大の防止と医療提供体制の充実
  先週末、新型コロナウイルスワクチン接種の「練馬区モデル」を公表しました。練馬区医師会の協力を得て、国と連携して検討を進めてきましたが、厚生労働省が先進事例として、全国自治体に周知しています。高齢者からスタートして、身近な診療所での個別接種をメインに、集団接種会場でカバーします。高齢者については、4月から約6週間での完了を目指していますが、今後、更に細部を詰め、「早くて 近くて 安心」の接種を実現します。なお、これに要する経費の補正予算案を、本定例会に提案したいと考えています。
 感染症対策の中心となる保健所では、昨年春以来、時間外勤務のみならず、年末年始も休日を返上して、懸命の対応を続けています。これまで感染者の増加に合わせて従来の20人体制を11月には69人にまで拡充してきました。昨年12月以降、感染者が急増していることから、先月8人増員し77人体制としています。来年度は、感染者の減少に向けた取組みを更に強化するため、常勤保健師を増員する予定です。
 また、感染予防を徹底するため、本庁舎をはじめとする施設や小中学校などに非接触式の体温計を配置します。
 練馬区におけるPCR検査は、区内5か所の新型コロナ外来病院、全国の自治体に先駆けて開始した130か所を超える検体採取診療所、石神井公園駅西側高架下に設置したPCR検査検体採取センターで実施しています。
 同センターを設置した9月26日以降、これまでに約31,000件の検査を実施しましたが、今後とも、身近な場所で速やかに検査が受けられるよう、検査体制の強化に努めていきます。
 感染患者の入院受入れやコロナ外来を設置している病院の経営改善に資するため、区が独自に実施してきた補助事業を来年度も継続します。

区民・事業者への支援
 生活相談コールセンターでは、これまでに約14,500件の相談を受け付け、その結果、住居確保給付金約3,800件、生活再建支援給付金約900件を支給しています。
 更に増加が見込まれる生活困窮者の就労、家計、生活一般などの相談に対応するため、生活サポートセンターの相談支援員を4月から3人増員します。
 本年1月に増員した就労サポーターを更に3人増員し、生活困窮から生活保護に至るまで、切れ目のない就労支援を実施し、早期の生活再建に繋げます。
 住居確保給付金や緊急小口資金等特例貸付などの支援終了後に、生活保護の新規受給者が増加すると見込まれており、ケースワーカーを7人増員します。
 売上が減少した事業者の資金繰りを支援するため、昨年3月から区独自の特別貸付を実施してきました。感染の拡大により、経済への影響の長期化が見込まれるため、融資枠を拡大した借換え特別貸付を5月から開始します。
 商店街の活性化策として、引き続き、プレミアム付商品券事業への支援や、イベント等の補助率の上乗せなどを行います。

おわりに

都知事との意見交換
新型コロナウイルス対策では、保健所業務について都区の役割の問題点が浮き彫りとなり、また、特別区間のサービス競争を目の当たりにしました。特別区制度の再検討が必要な時期に来ているのではないか、という従来からの考えをより強くしています。

先月、小池都知事との意見交換の場で、先ず、この問題を提起したところ、都区制度には様々な課題があり、問題意識を共有しながら議論を進めたいという考えが示されました。

区の大きな課題である、練馬光が丘病院跡施設に誘致する病院の病床確保、練馬城址公園の早期整備に向けた具体像と事業スケジュールの明示、大江戸線延伸の早期事業化を要請しました。大江戸線延伸については、練馬区の皆様と連携しながら検討していきたいとの回答を頂きました。引き続き、都と連携しながら、これらの課題解決に取り組んでまいります。

財政運営の基本的考え方
16日に公表された速報値では、7月から9月の実質GDP成長率は前期比5.0パーセント増、年率換算で21.4パーセント増となりましたが、前の期の大幅下落を半分程度戻すにとどまっています。日本経済がコロナ前の規模に戻るには、早くて3年、遅ければ5年以上かかるとの見方も出ています。

世界的に見ても、感染の再拡大などにより経済の不確実性が増しており、回復が軌道に乗るには相当の期間を要すると予測されています。

我が国では、世界で最も早く少子高齢化が進み、赤字国債が累積900兆円という危機的状況にあるなか、新型コロナウイルス感染症の直撃を受けました。これまで行われた60兆円規模の緊急対策、現在検討中の20兆円規模の第3次補正に加え、今後見込まれる法人税や所得税を中心とした大幅な減収などにより、国の財政が更に悪化することは確実です。

練馬区では、数年にわたり、財政調整交付金や区民税等が大幅な減収となることは必至です。その一方で、生活保護費など予算総額の5割以上を占める義務的経費は、長期にわたり、更なる増加が確実となっています。

私たちは、かつて経験したことのない財政危機の到来を覚悟しなければならないのです。

現在、来年度予算案の編成を進めていますが、区民の命と健康を守る事業の推進を最優先とし、区民生活を支えるうえで、必要な施策は時機を逸することなく確実に実行する一方で聖域なく事業を見直します。

大規模な改修など施設整備については、事業費、事業規模、スケジュールを精査します。給付的事業や補助金等の見直しを進めるとともに、各種イベントも、感染拡大防止とコスト削減の両面から精査します。

危機的な財政状況にあって、私たち基礎的自治体に求められているのは、区民一人ひとりの生活に寄り添ったきめ細やかな支援、日々の生活を支える広い意味でのソフト・ハードのインフラの確保という本来の任務に、揺らぐこと無く、全力で取り組むことだと確信しています。

この危機を区民の皆様とともに乗り越えていく、そう決意しています。区議会の皆様のご理解、ご協力をよろしくお願いいたします。

なお、本定例会には、これまで述べたものを含め44件の議案を提出しております。宜しくご審議のほど、お願いいたします。

以上をもちまして、私の所信表明を終わります。

区議会での発言アーカイブ